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2016年11月30日水曜日

博士後期課程のトドメ ドクターの価値 

ドクターへの進学について情報をまとめていきます。


あらゆる情報は全て作為的でアンバランスです。博士号の価値は「博士号取得者が語るべき」ともいいます。しかし、博士号取得者が博士を貶めることは、7年間の自身の生き方を自己否定することです。リアルな世界で決してありえないでしょう。生存者のバイアスも相当にかかります。相当親密な中になって、それでも酔った勢いでポロっと漏れるくらいでしょう
そうした情報の中で、ネット情報や私見をまとめました。
真偽は貴方が判断してください。

進学する理由
まず、進学するモチベーションについて以下のようになるかと思います。 

・就職より研究を続けたい 
・今の研究が楽しくて仕方がない 
・企業でも研究をするためには博士号か必要だ! 
・学位(博士号)が欲しい 
・名誉が欲しい 
・研究者として世界で活躍したい
・出世したい 
博士卒の割合が年々上がり、最低限持っていなければいけないものになってきている。(引用:https://sites.google.com/site/swopp2010phd/summary民間企業就職者の声より)

 一つずつ検討してみましょう。

まず、Ph.D神話とPh.Dの価値について述べます。

 

刷り込み教育

研究室の飲み会で、お酒が入った指導教官が度々、以下の説法をしていました。

日本は昔からPh.Dの価値が評価されない。アメリカではPh.Dの価値は名声・給料ともに非常に高い。日本はアメリカを後追いする政策を取ってきたから、いずれ、Ph.Dを持たない技術者は相手にされなくなる。だから、ウチの研究室で博士後期課程を取得したほうが将来、社会の役にたつことができる。

            By 指導教官

博士後期課程の学生が多数在籍する研究室のHPを拝見すれば、大抵似たような文言が記載されているかと思います。こうした呪文を唱えられた経験はありませんか?

これに対して、ネット・社会的事実・私見・伝聞を以下に述べます。

A1.アメリカがスタンダードでなくなっている可能性がある。

博士の価値について第三者がブログに投稿していましたので、一部引用させていただきます。

筆者は渡米してから10年を迎えようとしているが、アメリカでそのようなPhDへの優遇を実際に経験したことはない。それどころか、PhDだから優遇されたという経験者に会ったことすらない。むしろ、アメリカでもPhDnon-PhDの境界はどんどん曖昧になってきているように感じる。ひとつの証拠として、欧米の製薬系の企業の求人の例を紹介しよう。これら企業の求人欄の学歴・職歴の要件では最近、「博士号(PhD)」または「修士号(MS)プラス企業経験3年以上」または「学士(BS)プラス企業経験5年以上」などと記載されているケースが多くなってきている。今やPhDnon-PhDとの違いは質的なものではなく、研究(むしろ実験?)を始めてからの年数といった量的な差だという認識に変わってきている。(中略)そういう点では、欧米がようやく日本に追いついてきたとでも言えそうだ。
(引用:http://biomedcircus.com/index.html オピニオン:若い研究者たちへ)

あくまで、ある分野のある特殊な業界の事例を恣意的に切り取った情報かもしれません。私も、アメリカの製薬系の求人を確認する程の元気はありませんでした
本気で検証するのであれば、簡単にできると思われますので挑戦してみてください。

しかし、ある意味当然の結果でないかとも思います。技術を持つヒトがいればいいのです。ドクターだろうが高卒だろうが、できるヒトはできるし、できないヒトはできないのです。
同時に、大学の博士後期課程に在籍していたのは、脱落しなかった日本人と多くの外国人でした。そのうち、ほんとに優秀な方もいる一方で、過去の遺産で学位を習得される方もおり、能力には大きな分散があったように感じます。加えてPh.Dは永久資格であり、該当者はどんどん増えていきます。かつては、ある程度の能力を保証していたのかもしれません。しかし、人数が増加した結果、価値はどんどん低下してきているというのが実情かもしれないですね。

A2.これからもPh.Dは増加する方向にある。

平成25年4月8日に提出された、自由民主党における教育再生実行本部からの提言の中に、以下のような項目があります。
2.イノベーションを生む理数教育の刷新

 1.博士号取得者を欧米先進国並の年3.5万人に倍増、真に優秀な学生が学べる環境づくり



平成24年現在の博士号取得者が約1.6万人(引用:高等教育局大学振興課, 平成24年度博士・修士・専門職学位の学位授与状況,(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/07/27/1299723_08.pdf)ですから、単純に2倍強まで増加させる心積もりですね。新卒ドクターの希少価値は、5年後に半分になってしまう模様です。

 


受け入れ先と出口の問題

研究者として博士を採用できる企業は、研究できる余裕、社会経験のない人間を再教育できる余裕が必要です。現状、余裕のある裕福な企業の総数は増加する見込みはありません。
しかし、大学は国が決めた数値目標を達成しないと運営交付金が減額されるので,必死でPhDを増やそうとするのではないでしょうか(類似の事例があります。『ポストドクター等一万人支援計画』で検索、検索!)。ちなみに、現在でさえ、微々たる奨学金でM1の段階から既に博士後期課程進学に向けて学生を雁字搦めにしているのではないかと思われる大学が既に出てきています。

貴方の進学は誰の評価になるか?

これまで以上に、博士後期課程の学生数と学位授与者数が物理的に業績としてだけでなく、指導教官の学内での評価に直結するはずです。優秀なセンセイほど全力で勧誘を実施するでしょう。一方で指導体制は変わりません。むしろ、国立大学で若手の先生が、任期付きでどんどん採用されるなど、研究と教育の最前線でのゆとりのなさを感じます(朝日デジタル:http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/22/labor-japanese-uni_n_13137908.html)。こうした条件下で、あくまでも邪推ですが、修士の延長の研究どころか,雑用だけ、指示を受けるだけ、卒業生が残した研究をまとめるだけ、で学位を取得する粗悪なドクターが増える気がします。PhDの社会的希少価値はこうしてどんどん低下していくのではないでしょうか?
現在は修士卒がある程度はレアとはいえ、リクナビ・マイナビが営利対象にできるくらいのパイがあり、研究職以外の道や中小企業が気軽に採用できるようになっています。一昔前は修士でさえ高学歴で採用の敷居が高い状態であったことを鑑みれば、博士も同様の流れになるのでしょうか。つまり、今後は高い教育(?)を受けた博士を企業が安価に雇用できる、つまり、買い叩けるようになる可能性もあります。

 A2-邪推 博士号取得者倍増は日本人を対象にしていない可能性があります。

真に優秀な学生が学べる環境づくりの一環で、留学生30万人計画が立案されています。この点から、博士号の取得者を倍」は日本人ではなく外国人を対象にしている可能性があります。

実験系の研究室では、馬車馬のように学生がスクリーニングをかけて、絨毯爆撃によって驚くべき成果を見つけている分野が案外多い印象をうけます。そういった意味で、大学院を重点化して修士取得者を増やすことは、従順で安い労働力を放り込む意味で大成功を収めました。加えて、修士卒は(平均的に)そこそこの就職先が用意されています。
一方で、『ポストドクター等一万人支援計画』によるPh.Dの増加は教授の労働力の増員としての面では成功したかもしれませんが、卒業後の出口戦略に失敗しました。未だに補助金を投入したり、キャリア支援を実施したり、大きな負債となっているようです。

そこで、あくまで私見ですが、留学生30万人計画を以下のように邪推してしまいます。
大学を運営していく上で、博士後期課程の学生が必要ですが、日本人のドクターの就業支援やアカデミアの道を補助金等で支援することは、現在進行形で高く付いています。そこで、海外の留学生を補助金で集め、実験・学生指導させることで研究成果を出し、その後、母国に送り返します。この結果をもって、大学の労働力を増やし業績を得て、産学官の連携による企業への還元サイクルを回そうというのではないでしょうか。
長期的に経済的収支だけを見れば、不良債権になりかねない日本人の学位取得者を増やすより、留学生へ奨学金を出したほうが安上がりでしょう。実際、既に日本の大学のPh.D取得者をみると、あながち間違っていないのではないかと感じます。日本国から奨学金を貰って悠々自適な研究室生活を送る外国人がなんと多いことかまた、優秀な外国人の博士後期課程の学生に指導を受けて巣立っていく修士の学生も少なくないです。

技術や研究への価値観は過去に時間と資金を膨大に投資してきた結果の産物です。研究室での人間関係を通じてノウハウや価値観が伝承され進歩していきます。留学生も同様にノウハウや価値観を入手していきます。では、ノウハウを学んだ彼らが帰国したらどうなるか?基礎研究が日本の強みだと言われてきましたが、今後はどうなるのでしょうか
まあ、将来の化学や大学の授業料、少子化対策、若者の就労支援よりも、現在の団塊の世代の再就職の待遇や年金や社会保障のほうが日本にとって遥かに重要で議論する価値のある問題ですから、さしたる問題ではないですよね!

 


あなたへの直接の影響として

なにより、学位の価値という視点で考えたとき、あなたと同じ(若しくはそれ以上の研究室で)教育を受け、かつ二ヶ国語以上使いこなすドクターと就職・就業において競争しなければならないのです。多くの相手は、国費留学生として、金銭的な余裕があなたよりあるかもしれません。闘い抜く自信はありますか?
この結果、企業は日本人のドクターをさらに買い叩けるようになるのではないでしょうか


A-3正直な教授の言葉


学会の懇親会でお酒が入ったとき、旧帝大の先生が、
Ph.Dなんてアカデミックの登竜門に上るための入場券でしかなくて、それ以外に一切価値がない。必要なら社会人になってから取りにこればいい。ウチの研究室では社会人ドクターは受け入れるけど、学生の君たちには、その覚悟がないなら就職を勧める』
と、所属の学生の前で言い切っていました。




Ph.Dの価値についてはここまでにしておきます。


2016年11月25日金曜日

博士後期課程のトドメ 概略

博士後期課程のトドメ

博士課程進学というトピックでインターネット検索すると、ポスドク問題や海外進出の重要性、メリットにメリットなど、色々な情報がでてきます。中でも、大学の先生方が学生の将来を慮って熱く進学を勧めているHPが多々あります。私は血迷いかけましたが、幸運にも博士後期課程に進学せず、一切、有機とは異なる道で就職して生きています。
一方で、Ph.Dを習得した先輩方や同期、その道を志す後輩を知っています。就職活動を潰されて自ら進学した後輩、夢を語ってアカデミックの世界に進んだ先輩、アカデミックにポストを得たにも関わらず結局民間企業に就職して職を転々としている方まで、数十人以上のPh.Dの人生の一部を同じ研究室や大学で見聞きし、中には凄惨な事例まで
博士後期課程について私見を述べていきたいと思います。貴方が進学されるとき、雑音の一つとして読み飛ばしてください。この程度で進学を怯むのであれば、私は文章を書いた甲斐がありました。ぜひ進学を留めておくことを強くオススメします。


進路について

有機分野で博士後期課程に進学し3年以内に学位を取得できた方で、路頭に迷った方を知らないです。論文を4報揃えきれず、学位が取得できなくても一般企業に就職された方もいます。それだけ、有機分野のPh.Dというより、博士後期課程のコースは他の分野と比べて汎用性が高いようです。しかし、全員が3年間の投資に見合う給与が得られているかは、また別の問題です

あなたの夢は何ですか?

あなたの夢は、立派な研究者になることや、世の中の役に立つ発明をすることですか?私は、『一度きりしかない自分の人生を過ごせてよかった』という生き方をすることです。具体的に上げますと、とびきりの贅沢をしたいわけではありません。夜は気持ちよく寝つき、朝は心地よく目を覚まし、一日6時間睡眠を確保して、朝昼晩、3食ゆっくりご飯を食べて、体を動かし、自分の稼ぎで生きていくこと。
今、研究室生活を終えて幾分もの年が経ちましたが、少しずつ後遺症が薄れ夢に近い生活を送れるようになってきました。
決して、プライドや成果の為に後輩をコマ扱いしたり、退学させたり、定期的に内部告発があり、殺伐とした環境での厳しい競争と、その裏で弱いヒトが通院したり、電車に飛び降りたりするような後輩がいる環境で、切磋琢磨することが私の幸せ、生物としての幸せにつながらないと判断したため、化学を捨てました。

化学は好きでした。


それだけでは夢を負うのに不十分だったのです。

なぜ夢に挑戦することが尊いこととされるのか?

少年漫画を読んでいると、夢や希望に友情、正義、たくさん出てきますよね?その理由は2つです。一つは、大人になる上で、現実を見据えて夢や希望に友情を捨ててきたからです。現実で得られないものは空想で補給するしかないのです。もう一つは、管理する側にとって都合が良いからです。夢や希望や社会的意義を持っている人間は、一般的にサイアクな条件でも喜んで、自らの人生を捧げて働いてくれます。これほど扱いやすい人間はいません。ハムスターは、回し車を自ら喜んで回しますが、外から無理やり回すとストレスでいずれ死ぬそうです。これと同じです。

今後の人生はどうなるのか?

教育と人生の幸福度について調べた研究があります。M. Lahoudの記事Happiness is anything but academic, study finds』をご覧ください。
要約すると、高学歴で博士後期課程取得者は、人生に満足していない人が多い。比べて、人生に満足している人は高卒に多く、ついで、大卒、修士卒の順に多い、となります。
 ttp://www.watoday.com.au/lifestyle/life/happiness-is-anything-but-academic-study-finds-20110728-1i229

当然の結果です。


博士後期課程の3年間は楽しいでしょう。『知識量が圧倒的に増えます。』『周りの世界が広がります。』『サプライズが出てきて研究が楽しくなっていきます。』『夢に向かって邁進していく自分を見ていくのは幸せです』博士には似たように純真な人が多く、本当に眩しいですね。

 では、その先に何がありますか?


少なくとも実験化学は、趣味で続けることがまずできません。読み親しんできた論文も触れることができなくなります。9年間、自分の人生を捧げてきた化学と袂を分たなければならないのです。夢から覚めなければならないのです。その時、あなたの人生に何が残りますか?その喪失感に耐えられますか?
化学企業に研究職として就職しても、企業の都合でゼロベースで研究を再スタートしなければならないのです。知識に装置の扱い方に社内の理不尽なルールと人間関係、全てゼロからです。そして、発見ではなくタスクをこなす事が重要で、仕事として必要な事項しか研究させてもらえないのです。博士課程で一度覚えた研究と発見の快楽を手放すことは、相当な苦痛となるようです。

『縛られない為には金』


地獄の沙汰も金しだい、は博士にも当てはまります。好きなことを続けるためには、衣食住と学費を収め続ける必要があります。奨学金という名の借金を抱えて、研究を続けることは非常に困難です。なんだかんだ言って、保証人に迷惑をかける事に躊躇してしまいます。数百万の奨学金を返済するためには、給与の多い企業に就職するしかなくなるのです。就職の難易度が大きく上がります。その覚悟がありますか?

夢を追いかける為の金

もし、縛られない博士として、夢を追い続けたいのであれば、お金の問題は必ず直面します。学会で、有名な先生の講演中に、ある分野で著名な先生の後ろに座ったら、講義そっちのけで、携帯から株取引にて、とんでもない額を運用されておりました。当時は、違和感しか浮かびませんでした。いま思い返せば、ポストに固執することなく立派な研究をするには、安定した副収入が必要なのだなぁと、ガッテン、です。


就職できたら安泰か?

仮に、PH.Dで就職すると、修士卒の基本給+3年程度の給与しかもらえない場合が多い気がします。基本給は就職しなければわからない部分が大きく時の運です。博士だろうが、労働者の一人、組織の中の一人であることに変わりません。さらには、博士は組織の中でマイノリティーであり、極めて待遇改善に鈍感な集団である印象をうけます

縛られない博士のなるためには

やりたい事をやり続けるためにはどうしたらよいのか、研究に日夜励む暇があったら、一週間の内、1日位冷静に考えてみてください。ギャンブルを本業にして学費と生活費を稼ぎ、趣味(ポスドク)をされているかたもいました。

金を稼ぐために博士になるのではなく、他で稼いで研究にお金を回す

優秀な(はずの)博士が食いっぱぐれるのは世間が悪いのではなくて、方向性を完全に間違えているからだと思うのです。かじれる親のすねを探すなり、ヒモを探すなり、玉の輿を探すなり、学部時代に貯蓄するにしろ、夢を追い続ける為には、現実的な金策を考えなくてはなりません。

金の問題を疎かにしていては、自分だけでなく周囲も不幸にします。

人生は長いです。平均寿命は約90歳。定年は60歳。博士後期課程を終えると約30歳ですから、残り少ない労働年齢30年間で、奨学金を返しつつ、60年分の税金と生活費を稼がなくてはいけません。学生時代9年間は(免除で)年金を払っていないですから、将来の受取額は大きく下がります。3年の夢の後始末はきちんとできますか?

さあ、日本の為に博士後期課程に進学してください!
(続く)

2016年11月15日火曜日

理系の進学 ブラック研究室で学士から修士課程に進学するということ

ブラック研究室で学士から修士課程に進学するということ


 安直な進学で良いのか…

 理系、特に化学系の学生にとって学士を取得し、修士を取るために、大学院へ進学することは違和感がないことであると思います。私もそうでした。今の時代、修士ぐらいとっておかないと『研究職』につけない、出産後も修士の学位があれば復職しやすい、給与がいい、就職にゆうりであるなどなど,,,。こうした囁きに聞き覚えはありませんか?

そして、教授は続けます。『だからウチの研究室に進学して引き続き研究を頑張ろうね!』と。わかりやすいアレな例としては、『研究者として責任をもって育てたいから、ウチに配属を希望する学生は必ず修士課程まで進学してください。筋を通すこと、それは、お互いの信用問題ですからね』と宣言しておられる方もおられました。

大学院に進学するということ


大学院に進学することは、社会ではマイノリティーな生き方である事を自覚する必要があります。高校生の約50%が高等教育機関に進学します。この学生の総数は大学院を除いて、334万人に相当します。これに対して、大学院前期課程の学生は約14万人でしかありません。単純計算して高等教育機関の4%、同世代(6年間)で1%以下に相当する超レアキャラになります。そのレアキャラになるためには、睡眠時間を削って研究室の雑用とデータを採取すると同時に、学費・交通費・学会費・雑費など400万円近い自己投資が必要になります。

レアキャラは希少価値に繋がるか


ソシャゲーであれば、お金を積んででも入手したいレアキャラかもしれないですが、企業からみると事情は異なるようです。確かに、人当たりも良くて、人心掌握力に優れていて、意見をしっかり伝えることができるヒトであれば、企業は喜んで採用してくれます。加えて英語でのコミュニケーション能力や研究能力があれば言うことなしです。しかし、ブラック研究室で、肉体労働に従事して、心身摩耗し死んだ魚の目を持ち、理屈抜きの力技でスクリーニングをかけ、根性で最適化して研究成果を出してきたようなヒトは求めていない、ような印象があります。(是非、貴方の先輩方の就職活動を観察してください。普段の研究に対する姿勢と就職活動の結果の相関から、この真偽が見えてくるハズです)。
いずれにしろ、レアキャラとして採用してもらうためには、成果以外のところで相応の人間力を磨いておく必要があるのです。

本当のレアキャラになるために


本当のレアキャラになるために、成長できる場所を選ぶ必要があります・
安直にその研究室に進学して大丈夫ですか?
今の生活をあと二年続けて貴方のココロとカラダが持ちますか?
成長できる環境にありますか?
その研究室生活は本当に研究を行っていますか?
先生や博士後期課程の雑用・労働力になっていませんか?

こうした自問自答に自信をもって回答できるのであれば、OKです。自信をもって進学しましょう。

大学生活のゴールは『賃金を得る手段を見つける』=『就職』です

就職活動が始まってから、ペーパーテストでNMRが解けない,人名反応の反応機構がわからない,英語ができない,SIPができない,と嘆いても遅いです。やればできる,やらなければ出来るわけない。研究者になるためには、研究ができる企業に就職する必要があります。今の研究室生活の中で教育や勉強する時間はありますか。ないなら自分で確保できていますよね。そして研究者として理解していることを当たり前に期待されています。勉強する環境を整えている研究室は山ほどあるようですが

ゴールに繋がる道があるか、冷静に研究室生活を振り返ってみましょう

・将来、就職してお金を稼ぐための経験を積める努力をしてくれているか?
・問題解決に喜びを感じているか?
・あなたを「金・業績のなる木」として見ていないか?
・指導教官は「あなた」を見ているか?私生活を考慮してくれているか
・夢ややりがい,社会貢献,エリート意識(選民思想),人類の価値など精神論,あやふやなものを強調していないか
・必要な教育を与えているか?

目に見えて明らかな場合だけではありません。

基本的に放置で、結果をもって行ったとき甘い顔。向こうから働けとは働きかけません。自ら劣悪な環境で働くことをよしとさせるらしいです。劣悪な条件で学生を嬉々として働かせる「やりがいによる搾取」をおこなう研究室もあります。

気をつけてください。

こういったパターンの研究室もあります。


研究者は答えのない問題に取り組む仕事
              ⇓
だから,無心で雑念(知識)がないほうが大きなヤマが当たる可能性がある
可能性を信じて手を動かしてスクリーニングさせたほうが,期待値がデカい
              
教育・議論は時間の無駄。無心で実験させることがコスパ◎
学生なんか毎年たくさん配属されてきます。このうち誰かが結果を出してくれればいいのですから。有機化学は頭すっからかんでも、手を動かし続ければそれっぽい結果が出てしまいます。思考力の劣化と自身の愚かさを自覚できるのは就職活動が始まってからです。

ブラック研究室からの脱獄『他の研究室に進学』


違う研究室、他学部、他大の院に進学する場合、「同じ研究室で修行しないと一人前の研究者として成長できないよ。だから内部進学ね」ともっともらしい持説を展開する先生がおります。全くもって嘘です。有名な先生の経歴を見てみれば、研究者としての成長とキャリアの一貫性の関連がないことは明らかです。そういうもっともらしいことを真顔で言える先生ほど、他大学から喜んで院生を受け入れています。ようは兵隊を減らしたくないのです。そんなセンセイの元で雑用をしている意義がないから、労力をかけてあえて研究室を移動せざるえないのです。より良い教育環境を得るために、研究室や指導教官を選択することは、授業料を自分で工面するためのあなたの権利です。他人の都合より自分の人生の方が尊いです。絶対に折れないでください。

 研究職に就くためには、修士になることが必要か?


これは、明らかに嘘です。学士卒でバリバリに研究職をしている人もいますし、工業高校を卒業して研究職補佐職に従事し、現在総合職任用試験を受けて研究者をしている人もいます。例外はいくらでもあります。世間は広いです。研究職に就きたいのであれば、大学院で無駄な苦役に人生を浪費するよりも、頑張るべきは、情報収集と就職活動であったと私は思います。まっとうな研究室で修士を取得しつつ、堅実な就職活動を行ったヒトは研究職に就く確率が一番高いのは事実でしょうが。

2016年11月6日日曜日

ブラック研究室で闘う為に考える

 ブラック研究室で闘う為に考える 



研究室で漠然と辛い思いをしていて、こころを壊しそうになったとき、闘うことを『考える』ことをお勧めします。

勝つために闘うことは大変です


利益が絡むとき人の本性が出ます。
「人権は対話から」です ⇒ 表現能力がない人に人権はありません

真実は証言をもとに作られます
事実と真実は別ものです
事実をどう切り取って物語にするかで真実は変わってきます。だから、録画・録音が圧倒的に証拠力を持つのです。
理論整然と真実を作れるヒトは、最後まで標的にされません。逆に利益を貪る側に回ります。
余談ですが、表現能力が高い人ほど就職活動も上手くいきます。


勝つことを考えることは自分を守ることに直結する 


あなたを『不当に扱ったら危険だ!』と思わせるような雰囲気を持たねばなりません。
それは、ほかの研究室の教官や学生間ネットワークかもしれませんし、中途半端に妥協しない強さ、周囲への発信力かもしれません。
何よりも、事実と意志をはっきり伝えるためには、毎日の訓練が必要です。

それが,研究室生活で潰れない,潰されないために重要なことです。
逆に、組織の中で立ち回るのが上手く、集団の中で信用の厚いヒトほど対立した時に厄介です。
しかし,絶対に妥協してはいけません。安易に妥協する人間だと判断されると,いいように扱われ徹底的に搾り取られます。

ちなみに、倫理観は自分を縛る足枷になっても,悪意から守る為の盾にはなりません
むしろ高い倫理観,責任感・罪悪感・連帯感・帰属意識は悪用されます。
これらを利用しつくして、先輩やポスドクや指導教官は熾烈な競争の中で勝ち残ってきたのですから。

例えば、ハラスメントがあったとしましょう。

 ・セミナー参加を否定される
 ・論文の草稿を破り捨てられる
 ・修士論文や博士論文を明確な理由なく受け取りを拒否されて留年。
 ・他大への進学を表明して、研究変更が変更され、他人の原料合成をさせられる
 ・暴言を吐かれる
etc
あなたはどんな対応をとれますか。
学生課や相談室に相談してみますか?
もし仮に調査してもらえたとして,あなたの証言と他のセンセイや先輩の証言、どちらに真実がありますかね。信じてもらえるだけの信頼と説得力をあなたは持っていますか?
幾多の事例を穏便に解決してきたノウハウを持つプロに勝てるでしょうか?
そして、『自分のキャリアを捨てる危険を犯してまで』あなたの為に、事実を証言してくれる先輩や先生が、あなたの所属する研究室には居ると思いますか?
もし、そんな頼れる人が今のあなたにいるのであれば、こんなページに辿りつかないですよね…


 中途半端にことを起こすのが一番良くないです。

仮に個人や組織へのあてつけで、退学・自●しても主体者や組織は変わってきませんでした。死ぬくらいの覚悟があるのであれば、ハラスメントや不正をしているヒト・組織を訴える位のアクションをおこしてからでも遅くないです。その時には第三者が検証できる明確な証拠を用意しなければなりません。
 ただし、主体者や組織は現状を守るため、でっち上げてでも『あなたの信用』を貶めてくる場合もあります。あなたを、被害妄想の頭のおかしいクレーマー、私怨による復讐者と印象づけてしまえば、取り合う必要がなくなります。逆に、法律に則って内々に叩き潰すこともできます。もともと、組織と個人の『信用』はそれができる位に大きな隔たりがあって、不利な闘いになることを自覚しなければいけません。(『アカハラ 裁判』『アカハラ 自●』等で調べて見てください
 明らかに法令違反しており、貴方が法律的に正しい事実に加え、綿密な準備、平時の信用、交渉の録音、理論整然と一貫した主張をすることが重要です。攻守ともに、不誠実な過去の交際経験や公共のお金やモノの扱いといた『信用』が大きなポイントとなります。
 中途半端に闘って返り討ち、公然と思い込みの激しいヒトとして干された事例も多いです。
 

 おそらく、本気で勝つための証拠集めと、闘う準備をすれば、メンドくさくなって、どうでも良くなります。そうなれば、思いつめているのがアホらしくなって、研究室と関係ない第三の道に気持ちよく進むことができるはずです。
 短絡的に最悪の選択をする前に、冷静に理不尽をリストアップしてください。漠然と抱えたストレスや絶望感はこころを壊す原因になります。文章化してリストアップすることで自分の外に吐きだします。原因を外的要因として明確にすることで、次の道を見つける原動力にもなります。



2016年11月5日土曜日

理系の賢い就職活動

初めに


大学・大学院で学ぶ最大の目的は、生活していくためのお金を稼ぐ『職』を見つけることです。その為に、研究室で研究をするのです。従って、就職活動こそが最も重要なタスクとなります。就職活動を満足に成功した同期や先輩方のアドバイスを記します。(頭では理解していても、実際に行動に移せるかは別ですが…)


①研究は言われたことのみ時間をかけてゆっくりやることが重要。

それ以外のことはやる必要がない。必要な実験のみを行い、堅実な結果を小出しで報告会に参加しましょう。実験を頑張った,次の実験が増えます

勘違いした先輩が卒業までに畳めなかったテーマが必ず残ります。

それを引き継がせて貰える信用を築きましょう。既定路線の実験でデータ集めをすするだけで成果が得られます。数報の論文が得られれば、給付型奨学金や奨学金免除も通り易くなります。

③深夜までの実験を直ちにやめて、20時には帰りましょう。

そして、SPITOEIC,危険物、消防法、高圧ガス等、資格の勉強をすべきです。勉強できる力は一生ものです。特にSPIやTOEICは、やればそこそこできる、やらなければ絶対にできません。就職活動で役にたちます。

「終わりよければすべてよし」です。

多少、サボっているような雰囲気があったとしても、卒業間近にピークを持っていくとその後の印象が良くなります。理系であれば、先生とのコネクションは重要です。

⑤堅実的な時間の使い方をしましょう。

頑張っても結果が出ないことに時間を費やすぐらいなら,社会経験を増やすことをオススメします。学祭、地域の音楽サークルやスポーツサークルに参加して、集団で動く経験をしましょう。

就職のキックオフイベントで座った学生の言っていた言葉ですが…
 研究を頑張っていた先輩よりも、器用に立ち回って遊んでた奴が採用。日本の人事は見る目がない。あんな企業はいずれ潰れる。世間は間違っている
⇒あなたが研究を謳歌する一方で,集団生活で人心掌握を鍛えた人。つまり、「サルでもできるルーティーンな実験を繰り返してきた人」と「必要な研究をこなしかつ、人間関係を円滑に取り持つ経験を持つ人」。
どっちが社会人として求められるスキルか、考えればわかりますね。

 ⑥先輩、同期、後輩を使い倒しましょう!

研究室の雑用は山ほどあります。必要最低限で済むように上手く立ち回りましょう。