これから「ブラック研究室」の話をしよう②
前回の続きです。
就職活動
大学は本来、社会に貢献できる人材を排出するための施設のはずです。しかし、隠れブラック研究室は違います。まず、猛烈に博士後期課程を煽ります。希望するなら博士後期課程は素晴らしい。しかし、教授や先輩は進学の意思のない学生にまで暗示や洗脳に近い勧誘を行います。なぜか、どうして自分はアカデミックに進まずに就活を行うのか認めて貰う必要があります。
後期課程のメリット
博士後期課程の学生は教授にとって研究室を運営していくための無償の労働力,かつ学位取得までに少なくとも4報の論文を確保してくる兵隊であり,先輩方にとっても無駄な雑用を肩代わりしてもらえる貴重な同士なのです。
そういったわけで希望者がいなければ,先生も先輩も容赦なく精神的弱者達をひきずり込もうとします。決して就職活動をするなとは言いません。就職活動が出来ない精神状態に上手く持っていくのです。
勧誘のやり口①
就職活動が始まる前後で雑務や後輩の指導等を特定の学生に押しつけます。そして,研究室の運営(雑用)・研究に手を抜く人間が社会で通用するわけないと吹き込みます。結果、雑用や実験を優先させ、就職活動が中途半端・精神的にできなくなっていきます。不本意な就職活動になるだけならまだいいのです。抵抗を諦めて博士後期課程に進学してしまうのです。仮に本人が納得する内定を頂いていても「第一志望じゃないのに…妥協していく人生でいいの?」「世界や日本の発展に貢献できる人材になるために…」「これからはドクターの時代だよ」「やりたいことをやらないなら生きている意味ないよなー,死んだ方がましだわ」と教授・先輩共に勧誘を続け,歪んだ形で博士後期課程に進学させていきます(断っておきますが、どういう形であれ、自分で決めて進学しており、自己責任以外の何ものでもないです)。
やり口②
この勧誘が巧妙なのは確実に精神的に未熟で反論できないような学生に狙いを定めることです。次に配属される学生のための疑似餌として「大企業への就職実績」のために,ほとんどの学生にはしっかり就職活動をさせるのです。当然,歪んだ形で進学した方は次の犠牲者を出すための啓蒙活動を精力的に行う上に、就職活動組は同期間で生贄を押し付けるべく必死に行動するため,人間関係は非常にぎすぎすしています。3年間の経験から、必ず,『犠牲者』と『うまく立ち回って犠牲者に追加でムチを与える者』がいました。逆説的に、これをうまく立ち回って就職できた『ゆうしゅう』な後者の学生になれれば、社会で活躍できることは間違いないと思います。